南区医師会が主催する1月11日の市民公開講座で講師を務める 西山 耕一郎さん 中里在住 57歳
医療と人々の幸せ胸に
○…後を絶たない高齢者の飲み込み事故。餅を食べる機会が増える正月は、「窒息死」の悲惨なニュースが連日飛び込む。「きちんとした知識を持てば事故は減らせるのに」と言葉に力が入る。「飲み込み」に関する正しい知識を広めようと、講座には講師として栄養士と言語聴覚士を招く予定。「さまざまな視点から『誤嚥』を考えてもらいたい」と真剣な表情で語る。
○…福島県で生まれ、幼いころに南区に越した。両親が開業した病院で”医師の背中”を見て育ち、「人から感謝される仕事だと思った」と自然とその魅力に引き込まれたという。大岡小を卒業後、中学時代はアレルギー性鼻炎に悩まされたこともあり、「勉強はあまりやっていなかった」と苦笑い。小中高と夢中になったのは山登りで、「運動神経は良くなかったけど持久力はあった」と大自然に囲まれた場所でよくキャンプを楽しんだ。
○…北里大学医学部を卒業後、耳鼻咽喉科医として大学病院などで勤務。「良い先輩に出会い、さまざまな手術を担当させてもらった」と知識と技術を高め続け、国立病院で5年間、医長に就いた経験を持つ。2004年には、母が院長を務めた医院の後を継いだ。「患者さんの症状や要望を理解し、会話でコミュニケーションを取ることが大切。困っている症状を何とかしてあげたい」と優しい眼差しで信念を語る。
○…2人の子どもは20代の長男と中学生の長女。正月には妻と4人でスキーを楽しむなど仲が良い。50年以上暮らす南区では、「弘明寺商店街を歩き回って、よく酒屋に立ち寄る」と笑顔。大好きな日本酒を買い、「家で寝酒している」と冗談を交える。医療現場でさまざまな経験を積みながら、現在も各地で開かれる学会へ積極的に参加。知識を深める日々の努力を忘れない。「責任は重いが、今後は培った技術を伝承していきたい」。医療と人々の幸せのために歩み続ける。
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