中学生硬式野球の全国大会に出場する「横浜南ボーイズ」の監督を務める 後藤 均さん 南太田在住 54歳
厳しく優しく選手見守る
○…2002年の創部当初から監督を務める。指導歴が10年を超え、「初めて全国大会に出場した09年のメンバーが成人式を迎えた」と20歳になった教え子と先日、再会した。「一緒にお酒が飲める年になった」と笑う表情は我が子を想う父親のよう。3月に迫る春の全国大会は3年ぶりの挑戦だが、「攻守ともに選手が成長してくれた」と手応えを感じて臨む。
○…南区庚台で生まれ育つ。太田小に通っていた小学3年生のころ、野球好きだった父の影響で球児に。父が監督を務めるチームの一期生としてプレーした。「長嶋茂雄さんの華麗な守備に憧れた」と目を輝かせる。中学時代は「人から『うまい』と思われることが喜びだった」と好打の遊撃手として活躍。卒業後は名門、横浜高校に進学した。
○…入部してすぐに「とんでもないところに来てしまった」と上級生のレベルの高さと貫録に圧倒された。厳しい練習には「仲間と励まし合ってがんばった」と笑い飛ばす。3年生の時、チームは甲子園出場に沸いたが、自らはメンバーに入れずスタンドで応援した。「今になって思うと努力が足りなかった。選手には『もっとやっておけば良かった』と後悔してほしくない」。指導者として伝えたいことは一貫している。卒業後は左官職人として6年間働き、子どもと関わる仕事に憧れて20代半ばから高校の技能員に。野球の指導は父の後を継ぎ、小学生チームからスタート。「華の『高校野球』につなげる中学生を指導したい」と41歳で現在の会長ら3人と南ボーイズを創部した。
○…子どもは長女と長男、次男の3人。現在は妻と息子4人で暮らす。半年前から美しさに魅了されて盆栽を始めた。「なんだか親父臭いけど。自分で調べて作るのが面白い」と恥ずかしそうに笑う。「野球が上手い下手ではなく、諦めない心を持って長く続けてほしい」。厳しく優しい”親心”で選手を見守り続ける。
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