南区版 掲載号:2017年6月15日号
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横浜最古の寺・弘明寺観音の住職を務める 美松 寛昭さん 弘明寺町在勤 53歳

「祈り」で安らぎと希望を

 ○…弘明寺観音の住職を務めて19年。「参拝される方から『ここに来ると心が落ち着く』と言ってもらえることが嬉しい」と和やかな表情。寺の近所や商店街を歩いている時、気軽に声を掛けてくれる地域の人々の人情味がありがたいという。「下町の中にある寺。誰もが自由に入って、自由にお祈りができる寺でありたい」と優しく語る。

 ○…南区出身。子どもの頃は剣道を習い初段、その後に始めた空手は二段の腕前。「本当は野球の方が好きだった」と笑う。南中を卒業し、高校時代は養護学校教諭を目指して自閉症の子どもを支援するボランティアに精を出す。当時、祖父は弘明寺、父は保土ケ谷の寺で住職を務めていたが、自身は「坊主は嫌だった」という。大学在学中、祖父が体調を崩したことで僧侶の道へ。同世代が集う青年部の慰問活動などを通じ、仏道への思いを強めた。「振り返ると仏様の導きだったと思う」と目を細める。

 ○…多い時は約100人が訪れる寺の護摩行。参加者の7割が病気で悩んでいることを知った。「病に苦しむ人に手を差し伸べたかった」。医療と宗教の融合を図ろうと、2001年、有志と「真言宗病苦研究会」を設立。運営委員長として病院などで祈りを捧げ、患者らの心をケアするボランティアや研修会を長年実践してきた。取り組みは実を結び、医師らと提携して念願だった「空海記念統合医療クリニック」を6月5日に都内銀座で開院した。「多くの信者さんが集まって心を健康にしてほしい。そのために自分が一生懸命拝み続けたい」と決意を語る。

 ○…3人の子どもが野球をしていたこともあり、夏の高校野球は「今も好カードは観戦に行く」と息抜きの一つ。平塚、相模原まで足を延ばすこともあるという。長い歴史と温かい下町人情が包む”祈りの寺”で「『仏様を拝む』ということを後世に伝えていきたい」。人々の心に安らぎと、希望の光を灯し続ける。

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