横浜商業高校(Y校)野球部出身で競輪のトップレーサー・郡司浩平選手(29)が12月30日に立川競輪場で行われる「KEIRINグランプリ」(GP)に初出場する。約2200人いる競輪選手の中から成績上位の9人だけが出られ、その年のナンバー1を決める特別なレース。「Y校時代の仲間も応援してくれる」と語り、競輪界最高峰の名誉へ挑戦する。
郡司選手は栄区出身。小学生から野球を始め、Y校では3年時に外野手のレギュラーとして県大会ベスト8進出に貢献。卒業後に父・盛夫さんと同じ競輪選手の道へ。
川崎競輪場所属で2011年にデビュー。13年にトップ選手が集まる「S級」に昇格後、壁にぶつかる。そこで師匠でもある盛夫さんの「自分でレースを動かせ」というアドバイスで自ら勝負を仕掛けるスタイルを貫き、再び勝ち始めた。
16年に最上位格のGIレースで初めて決勝に進むなど、大レースの常連となった。17年3月にはGIに次ぐGIIレースに優勝し、その年のGIレースの優勝者と獲得賞金上位の9人によって争われるGP出場が視野に入った。しかし、夏場以降の成績が伸びず、次点で初出場を逃した。
今年は「けがなく、GP出場を目標にした」という1年だったが、6月のレースで落車し、鎖骨を骨折。2カ月間の休養を余儀なくされ、GP出場は厳しいと思われたが、復帰後に優勝を重ね、9月に2度目のGII制覇。もう一つの目標だったGI優勝は叶わなかったが、獲得賞金約6800万円の8位で悲願のGP出場を決めた。
高校仲間も応援に
例年、Y校野球部の仲間と忘年会を開くが、今回はGP後の年明けに行う。「GPを見に来てくれる仲間もいるので、勝たないといけない」と話す。目標にしていたGPだが、「いざ出場を決めてみると、嬉しさと不安な気持ちが半々」という。GPに出る9選手は翌年、「S級S班」という最高格付けを背負い、他の選手とは異なる赤いレーサーパンツを着て走る。「ファンの期待も大きく、内容も求められる」と厳しい表情。
優勝賞金1億円を懸けた大一番の舞台となる立川競輪場は「直線が長く、自分にとってはやりやすい」と好相性のバンク。「思い切りの良さが持ち味。出し惜しみしないで戦いたい」と全力で競輪界の頂点を目指す。
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