落語家で南消防団に入団した 桂 枝太郎さん(本名:佐々木修市) 白妙町在住 42歳
師匠に続く恩返しを
○…真打の落語家として市内で初めて消防団入りした。「芸人仲間に伝えたら、『転職するの』と言われた」と笑う。高座と訓練の兼ね合いは課題だが「少しでも貢献できるようにしたい」と意気込む。
○…岩手出身。高校時代に学校行事で見た桂米丸さんの落語に面白さを感じた。「当時、72歳の人がしゃべりだけで高校生を笑わすのはすごいと思った」。弟子入りを決意し、米丸さんの門を叩いたが、「自分は年だから」と弟子の歌丸さんを紹介された。「笑点のイメージで怖いという印象があった」というが、言葉遣いや礼儀作法など、社会人として必要なことを全て教えてくれた。「何にも知らない田舎の若者のために、自分の時間を割いてくれた」と今でも感謝する。
○…「歌丸の弟子」というだけで落語を聞いてくれる人がいる一方、「枝太郎」という名前を覚えてもらえないこともあった。反発心から「歌丸の弟子」と名乗らなかったり、師匠とは路線の違う落語に傾倒したこともあった。「考えが若かった」というが、2年前に師匠が他界。そこで「30年後も歌丸が知られているか」と考え、積極的に師匠がやっていたネタに取り組むようになった。「令和の時代にも歌丸を残さなくてはいけない」と使命感に近いものを感じている。
○…入門以降、南区に住み続ける。「落語にも通じる下町の良さがある」。昔から「出世払いでいいから」とご馳走してくれる店がいくつもある。フリーアナウンサーの妻、2歳の娘と暮らす。「コロナで私の仕事がないので、保育園の送迎、炊事、洗濯、全てやっています」と笑う。「師匠のように南区に恩返しがしたい」と二足のわらじで笑いと同時に安全・安心を届ける。
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