波乗りの発信者に

　○…波や風の力を使って海上を滑走するウインドサーフィン。師走の寒空の下、浜名湖で行われた大会で優勝し、プロへの仲間入りを果たした。「尊敬する先輩たちに少し近づけた」と話す表情はまだあどけなさが残る。「プロ入りが一つの目標だったので、やっとスタートラインに立てた感じ。下の世代のお手本になる選手を目指したい」と意気込みを語る。

　○…小６の時、友人に誘われて競技を始めた。「自然と一体化したような感覚に魅了された。誘ってくれた友達はすぐ辞めちゃったけど」とお茶目に笑う。逗子海岸を拠点に活動し、土日は早朝から陽が沈むまで練習に打ち込む。親子ほど歳の離れた選手と接することが多く「礼儀作法を教えてくれる」と話し、人として成長できるとも。「この１年間はコロナの影響で先輩たちと会える時間が減った。一緒に食事できる元の日常に早く戻らないかな」

　○…高校生になってから子ども向け教室の指導員を始めた。「日本では知らない人が多いスポーツでまだまだマイナー。子どもたちに潮風を感じる楽しさを伝えたい」と思いが熱い。「メディアの目に留まれば競技を知ってもらえる可能性が広がる」とＳＮＳでの情報発信も欠かさない。「ジャンクＳＰＯＲＴＳ」に出演したいという大きな夢も持つ。

　○…マイブームは健康食。アサイーボウルが元気の源で「朝食べると一日の始まりを感じる」とにっこり。来年度は受験を控え、大学進学を目指す。「スポーツは心と肉体の調和が大切」だと話し、心理学と理学療法が学べる学校を視野に入れる。今は事実上のプロデビューとなる４月の大会に向け、大技の習得と基礎体力の強化に励む。波に乗る17歳の挑戦は始まったばかりだ。