創立130年を迎えた園芸会社「横浜植木」の代表取締役社長を務める 伊藤 智司さん 唐沢勤務 62歳
1%の可能性信じて
○…勤続40年を超えるベテランは明治時代から続く企業の舵取り役を2年前から担う。6月に創立130年を迎え、先人たちと地域のつながりを後世に伝えようと、周年誌を発行した。「会社の古株となった自分だって、3分の1もリアルタイムで見ていない。横浜から世界中に笑顔を届けられるようになった基礎を一から学び、それらを次代に引き継いでいきたい」と誠実に語る。
○…静岡県出身。茶、みかんなどの特産品を栽培する農家で育った。農学部を卒業後、「会社が運営する菊川研究農場が実家の近くにあるので身近に感じた」と横浜植木に入社した。農場で品種開発を任されたが、当時新しく発足した部署だったこともあり、メンバーは2人の上司と自分だけ。中腰での作業が続き、椎間板ヘルニアに苦しめられたが「前例がないことへのチャレンジ」だと前向きに考えて突き進んだ。「自分が作った品種が市場に出た時に感じる喜びが『次も頑張ろう』という大きなモチベーションになった」
○…33年間の農場勤務で赤肉メロン「クインシー」や種なしピーマンなどの品種開発を手掛けた。「農業は99%の失敗と1%の成功で成り立つと思う。わずかな可能性を信じ続けることが成功を手繰り寄せる」と語り、熱い思いが感じられる。協力してくれる地元農家への感謝も忘れてはならないとも。
○…唐沢の本社に異動して7年。「横浜は都会でありながら、ガーデンネックレスのような緑豊かな場所も魅力的」とにっこり。単身赴任のため、静岡にいる家族とは離れて生活する。「コロナが落ち着いたら、地元に帰る頻度を増やしたい」と今は我慢の時期だとか。持ち前のポジティブ思考と粘り強さで新たな時代を築いていく。
|
|
|
|
|
|