市立大岡小学校(馬渡照代校長)が2021年度の「学校給食優良学校」として、文部科学大臣表彰を受賞した。児童に咀嚼の大切さを教える取り組みや地域と連携した体験授業など、長年の活動が大きく評価された。
咀嚼で健康維持
この表彰は特色ある授業や取り組みを通じ、学校給食の実施に優れた成果を上げた学校に贈られるもので、21年度は全国で12校が受賞した。
同校は「咀嚼嚥下(えんげ)教育プロジェクト」と称し、咀嚼と健康の関係性に着目した指導を実践する。給食時間中に食材の特徴を紹介しながら咀嚼の重要性などを伝える曲「もぐもぐごっくんソング」を流し、児童は教職員や調理員とともに食育の基礎を楽しく学んできた。
よく噛んで食べることは肥満防止のほか、あごの発達を助けて言葉の発音がきれいになるなどの効果が期待できる。児童は食事の際によく噛む習慣が定着し、毎日の栄養バランスを考えるようになったという。
学校全体で健康について考える学習を推進する積極的な姿勢などが評価された結果、「学校給食優良学校」として文部科学大臣表彰を受賞した。
地域密着の食育
総合学習や道徳の時間を使い、地域と連携した授業を行っていることも表彰の決め手となった。
18年、当時の4年生は六ツ川1丁目のプリン専門店「横濱ミルク町っ子」とともに商品開発を行った。同店からのアドバイスを参考に、キャラメル味とイチゴ味のプリンを作った。キャラメル味は定番メニュー、イチゴ味は冬の季節限定として今でも店に並ぶ。
また、2年前には児童が作ったカップで茶やコーヒーを提供するカフェを大岡地区センターで開催。カップは「大岡焼」と名付けられ、同校敷地内や弘明寺公園などの土を集めて作った。「食事は味だけではなく、見て楽しむもの」という考えを養うきっかけづくりになった。
同校の池田悠菜栄養教諭は「これからも子どもたち自身が健康を考えて、より良い食生活を送ることができるように学校、地域、家庭の3つの輪で子どもたちの成長を支えていきたい」と食育を推進し、児童の健康維持に貢献していく。
同校は来年度に創立150周年を迎える。記念事業として「食」をキーワードにした新たな取り組みを検討している。
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