南消防団の本部部長で藍綬褒章を受章した 金子 裕さん 真金町在住 68歳
信頼できる仲間とともに
○…褒章を受けて「消防団の活動を40年間続けてきた成果が評価されたのでは」と目を細める。町内会役員をしている時に声を掛けられ、「地域の役に立てれば」との思いで1981年に入団し、地道に活動を続けてつかんだ名誉だ。
○…入団当初、当時の団員にとって基礎とも言えるポンプ操法訓練にいきなり駆り出され「訓練についていけなくて、必死だった」と振り返る。4人1組で行うポンプ操法は、途中に放水中のポンプの受け渡しがあるなど、息の合った連携が何より重要。「訓練では、しごかれた」と笑うが「メンバーとの仲間意識が強くなり、信頼し合える関係になった」。誰かがミスをしてもカバーするチームワークの大切さを知った。
○…真金町の瀬戸物店で生まれ育つ。高校生の時に学校の社会奉仕クラブに入り、ボランティアを経験。福祉施設などで活動する中で「人の役に立てれば」との意識を強く持つようになった。成人してからも青少年指導員を務めたほか、町内会の防犯パトロールやまつりを手伝うようになったのは自然な流れだった。実家の仕事をしながらの地域活動だったが「仕事があってこそのボランティア」と両立を続けた。消防団では2010年から本部部長に。団員確保が喫緊の課題となる中、この数年でキャリアの浅い団員が増えた。「できるだけ訓練に参加してほしい」と願うのは、自身が訓練を通して消防団の魅力と仲間の大切さを感じたからこそ。
○…散歩が趣味で、山下公園や赤レンガ倉庫まで足を伸ばす。「空気が違うね」と笑顔。消防団は70歳で定年。残された時間で「これまでの活動を生かして団に貢献したい」と真摯に語る姿から、奉仕の心を持ち続ける優しさが感じられた。
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