市立南図書館の司書で、地域で読書の魅力を伝える活動に取り組む 伊草 祥子さん 弘明寺町勤務 28歳
謙虚な心で知恵吸収
○...司書になって6年目。昨年から南図書館に勤務する。本を探す利用者からは「表紙が緑色」「猫が出てくる」といった抽象的な言葉での依頼を受けるなどの苦労もあるが、「利用者さんのお求めの本を見つけて、笑顔になる瞬間を見る喜びが大きく、達成感がある」とやりがいを語る。
○...千葉県出身。母親が近所の図書館から児童文学を借りてきたことが読書に目覚めたきっかけ。イギリスのファンタジー作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの作品などに夢中になった。「自分と全く性格が違う主人公に感情移入し、現実世界の自分とは別の人格になった気分を味わえるのも読書の魅力」と話す。「図書館の利用者さんと交流する中で読みたい本が増えて、新しい価値観が得られるのも司書として働くやりがい」と語り、天職だという。
○...司書を目指したのは大学入学後。情報や資料を求めている図書館利用者を支援する業務「レファレンス」に魅力を感じた。司書課程を担当した教授からは「必ずしも就職に役立つ資格ではない」という助言を受けたが、生粋の本好きには関係なかった。「尊敬する先生が就職を心配してくれたからこそ、強い意志を持って司書になれた」と笑顔を見せる。
○...南図書館は今年12月に開館30周年を迎える。「節目を祝うイベントを企画したい」と熱意を見せ、ノンフィクション作家で探検家の角幡唯介さんを迎えるイベントの準備を進める。昔の弘明寺周辺の写真を並べたパネル展示や、写真絵本を紹介する企画の実現も目指す。好きな言葉は「我以外皆我師也(われいがいみなわがしなり)」。「言葉には自分以外の人が自分に足りないことを教えてくれるという意味が込められている。謙虚な心を持ち続けて、人としてもっと成長したい」
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