地元産の竹を使って竹細工を作る「竹遊会」のメンバーで、普及活動を行う 田中 重雄さん 永田南在住 77歳
職人魂 「誰かのために」
○…「自然豊かなまちの魅力を子どもたちに伝えていきたい」--。熱い想いを掲げ、中心メンバーの一人として活動する。元職人で手先の器用さはピカイチ。作品作りを牽引する。「永田南で暮らして48年。地元の皆さんとまちに恩返しの気持ちで貢献したい」と誠実に語る。
○…南太田小、蒔田中の出身。大岡川の近くの井土ケ谷下町で生まれ育った。中学卒業後は、7人きょうだいの長男として家計を支えるため、水道管工事などを行う職人の道へ。30歳のころに妻の地元の永田南に移り住み、内装リフォームの会社を立ち上げた。子どもが生まれ、子ども会の活動を手伝ったことがきっかけで、南永田中町内会に入会。副会長や防災担当など、さまざまな要職を任された。「仕事と地域活動の両立は楽ではなかったけど、子どもたちの笑顔を見ると、そんな苦労は一瞬にして忘れたね」と微笑む。
○…70歳の時に膝痛が悪化して仕事を引退し、町内会の活動も第一線から退いた。そんな中、「まだ自分にもできることがあるはず」という感情が芽生えた。「職人の自分が役に立てる場所」と考え、「竹遊会」に入会。今は新しく入ったメンバーに竹とんぼの作り方などを教えるキーマンとして頼りにされる。「昔と比べて地域活動が少なくなる中、竹遊会に入ってくれる人がいる。その人たちの役に立ち、創設時から会を支える先輩方の力になりたい」
○…中学3年と小学6年の孫が井土ケ谷下町の実家で暮らす。孫たちに会いに大岡川沿いを歩く度に「友達と一緒にトンボを捕まえて遊んだ記憶が蘇る」と話す。「川がきれいになったり、田んぼが家になったり、街並みは変わったけど、思い出は変わらない」と故郷への思いを語った。
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