南区 トップニュース教育
公開日:2022.11.10
日枝小学校
「脱PTA」で保護者活躍
有志が新組織、イベントも
日枝小学校(加藤智敏校長)の保護者組織「日枝っ子友の会」によるイベント「秋祭り」が10月29日に行われた。同校は昨年度からPTAに代わる組織として、保護者のボランティアが活動を行う体制に改めた。「できる人ができることを」を基本に保護者の負担軽減を図りながら、様々な人や団体が学校運営に協力してもらう形を構築しており、注目を集める。
同校のPTAは多くの学校で見られる本部役員と委員会が中心の構成だった。役員の活動は学校行事の際の来賓対応など、多岐にわたり、負担を感じていた保護者も多かったという。
学校と保護者が対話を重ね、PTAのあり方を検討している中、コロナ禍で多くの活動が停止を余儀なくされた。それを契機に保護者からボランティアを募り、「児童のためのできることをできる人が行う」体制を明確にした。学校の休校が開けた20年6月からは、教室などの消毒作業や登校時の見守りを保護者有志が行うようになった。
21年4月にPTAを解消し、ボランティアを核とした「日枝っ子友の会」を発足。PTAで設けていた本部や委員会といった役割はなく、希望した約30人の保護者が協力する形でスタート。まとめ役となる「こーでぃねーたー」を中心に子ども向けイベントの企画や広報紙作成を進める。昨年は友の会主催でハロウィーンイベントやお化け屋敷を開催していた。
今回の「秋祭り」は約20人の保護者がヨーヨー釣りや射的などの縁日ブースと校庭で動く的に水鉄砲を放つゲームを企画。希望した児童が思い思いに遊んでいた。自ら水鉄砲の「的」になり、ずぶ濡れになりながら子どもとふれ合った友の会の天笠亮平会長は「『1日だけなら協力できる』という保護者もいる」と負担にならない形式で新たな参加者もいるという。天笠会長は「保護者の中には様々な得意分野を持った人がいるはずなので、それを広げていければ」と展望を語った。
「全てを教育に」
秋祭りでは、6年2組が総合学習の中で進めてきた空きスペースに設置したウッドデッキがお披露目された。設置には学校近くの総合建設業「小俣組」が企画段階から協力している。これまでも総合学習では、企業や地域住民が児童の取組に協力してきた。
ほかにも、登下校を見守る「学援隊」や学習支援を行う組織もある。同校の加藤校長は「多くの方が子どもために集まってくれている。全てを教育活動に結び付けたい」と話し、教員の多忙化など、学校運営が困難な状況でも地域全体の力で前へ進めたいとした。
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