南区在住の落語家・桂枝太郎さん（46）が10月11日、横浜橋通商店街で行われたオレオレ詐欺などの特殊詐欺の撲滅を呼び掛ける防犯キャンペーンに参加した。南防犯協会や南女性防犯連絡会とともに買い物客らに啓発物を配りながら商店街を練り歩いた。

　枝太郎さんは２０１８年に亡くなった桂歌丸さんの最後の弟子。20年８月に南消防団に入団し、熱中症予防を訴えるキャンペーンに参加するなど、地域活動にも熱心に取り組む。日頃から横浜橋通商店街を利用しているといい、顔見知りの店主も多い。12月１日に行われる南区制80周年記念式典でも落語を披露することになっている。

　県は犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例により、10月11日から20日までを安全・安心まちづくり旬間と定め、住民の防犯意識を高める取組を各地で実施。同商店街での防犯キャンペーンもその一環で、南署はこれまでに中区の山手警察署などで一日警察署長を務めたことがある枝太郎さんに協力を呼び掛けた。

　枝太郎さんや南防犯協会の岩田春男会長が中心となり、特殊詐欺への注意を呼び掛けた啓発物を買い物客らに配布。お金を要求する電話があったら、警察に相談するように訴えた。枝太郎さんは「皆さんが詐欺被害に遭わないよう、今後もこうした活動に参加し、関係者の方々と呼び掛けていきたい」と話した。

昨年から被害額増

　南署によると、南区内で今年発生した特殊詐欺の認知件数（暫定値）は９月末時点で17件、被害額は約４４００万円。昨年同時期と比べ、認知件数は９件減少したが、被害額は約８００万円増加した。うち10件がオレオレ詐欺で被害額は２２００万円に上る。

　パソコンのウイルス除去費用の名目で被害者にコンビニなどで電子マネーカードの購入を促し、お金を騙し取る架空請求詐欺も増加傾向だといい、注意が必要だ。