神戸町「はぁふたいむ」で人形展を行うアコーディオン奏者 福田 安弘さん 区内・峰岡町在住 67歳
「また来たい」、そのひと言のために
○…サラリーマンをしていた30年前に知人から貰った、幾つかの黒猫が楽器を弾いている人形の中に”それ”を弾いている1匹を偶然みつけたのが『アコーディオンとの出会い』。ピアノをこよなく愛しアマチュア合唱団に所属するなど音楽に親しんでいたが「それ以来、楽器はアコーディオン一本ですね」と、まずは明るい笑顔をみせてくれた。
○…出会いが、楽器そのものではなく”楽器を弾く人形”という珍しいケースだったせいか、のめり込み方もユニーク。こうしたアコーディオンをモチーフにした人形収集家として名を馳せ、自宅には世界中から探し出した850種類もの人形を保管する。それでも「予算の都合で入手できなかった人形が夢に出てくる事もありますね」と、飽くなきコレクター魂の一端も。
○…また一方では、日本屈指の奏者として知られる金子元孝氏(故人)に早くから師事。『名手ほど人前で恥をかくべし』という教えを忠実に守り、演奏技術の研鑽のみならず駅前などでそのパフォーマンスを頻繁に披露してきたという。「ステージ度胸と共に、アドリブ能力が養えましたね」と、当時の様子を振り返る。
○…伴奏を担当する事が多いアコーディオンの世界では、このアドリブ能力が不可欠。「演奏技術そのものは(他の専門家に)適わないかもしれませんが、伴奏者としての力量なら負けませんよ」とニヤリ。その言葉通り、歌う相手の年齢、性別、音程の高さなどを考慮して曲の途中でもスムーズかつ咄嗟にキーを変える独自のテクニックを構築。さらに琴線に触れるような叩き上げならではの人情味溢れる演奏は評判を呼び、今や沢山の出演依頼が舞い込む人気奏者に。近年、再び注目されている歌声喫茶を支える裏方として「ストレスが多い現代社会の中で”楽しかった、また来たい”と言ってもらえる演奏を続けて行きたいですね」と、相棒を我が子の様に抱きかかえながら語ってくれた。
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