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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2014.10.30

天王町で開かれるコンサート「午後のひととき」に出演するオペラ歌手
土屋 広次郎さん
青葉区在住 48歳

「歌う喜び」多くの人に

 ○…一線級のアーティストとしてオペラ界で活躍する傍ら、プロ、アマ問わず声楽の指導者として忙しい日々を過ごしている。

 ○…区の歌として知られる「わがまち、保土ヶ谷」を歌い継いでいる区民有志グループの歌唱指導もその一つ。区制80周年の記念事業として曲の存在を知り、包括的な長期プロデュースを快諾したのは2007年ごろ。以来、保土ケ谷の魅力が散りばめられた歌詞の意味を噛み締めつつ、歌う喜びを伝えるレッスンが好評を博し、メンバーの実力もメキメキ向上。「皆、すごく上達していますよ。楽しんで相手に伝えるという点では既に相当なレベルに到達しているといっていいのでは」と語り、各自の成長に目を細める。

 ○…「プロのオペラ歌手からの歌唱指導」と聞くと厳しい場面を想像しがち。だが、常に笑いを絶やさない指導を心がけ、相手のハートを掴んで離さない雰囲気づくりを心がけているのだとか。「人って、緊張すると声が出なくなる。何も生まれないんですよ」とポツリ。自身、プロの歌手を志していた学生の頃、師匠からの猛烈に厳しい指導を受けてきた。そんな辛い経験をいわば反面教師に自身のスタイルを編み出してきただけに”頭ごなし以外の方法”に懸ける想いは人一倍強いに違いない。

 ○…11月28日に行われるコンサート「午後のひととき」は、保土ケ谷区では初となる、いわば「凱旋」。普段は教え子となる面々の前で歌声を披露する事になるが「自分の全部をさらけ出すので、楽しんでもらえれば」と話し、心待ちにしている様子。敷居の高いオペラの印象を払拭すべく、ディナーショーの様に各テーブルを歌いながら回るサービス等も企画しているとの事。准教授としてフェリス女学院大学音楽学部の教壇に立ち「教育+エンターテイメント」の相乗効果を追及する多彩な一面も併せ持つアーティストの集大成。開演は、間もなく―。

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