星川杉山神社で、神楽の指導者を務める マサヒロ 水野さん (本名・水野 雅広)西区在住 52歳
3つの顔を持つ男
○…道具を使った曲芸を行うジャグリング、大小のこまを使ってさまざまな曲芸を行う江戸曲独楽、神様に舞や音楽を奉納する神楽。それぞれの分野で活躍し、区内では星川杉山神社を拠点にする明神神楽会や、先日同神社で行われた「七五三祭」でも、巫女舞の指導を行う。独自に開発したお囃子の譜面の研究などにも余念がなく、分かりやすさを追求しさまざまな工夫を凝らす。
○…ジャグラーとして、欧米諸国を股に掛け活躍する。もとは手品師を志していたが、勉強のために見に行った海外のショーで転機が。「シンプルな道具と巧みな話術で人を楽しませているジャグラーに心奪われた」とそちらの道へ進むことを決意。28歳のとき独学でプロデビューを果たしたが、外国の大会に出場した際に言われた「日本人なのになぜ日本の曲芸をやらないのか」という言葉に衝撃を受け、江戸曲独楽の師匠の下に弟子入り。さらに傘の上でまりを回すなどの曲芸を行う太神楽へも弟子入りした。神楽には付き物の笛や太鼓にも精通しており、その姿はさながら和のジャグラーだ。
○…愛知県出身。子どもの手遊びが芸の原点というように、幼い頃から手先が器用でけん玉やヨーヨー、こま回しが得意だった。友人の推薦で、長さ15mのひものけん玉を披露しテレビ番組に出演したことも。「好きだからたくさん練習したし、その分できるようになると嬉しかった。そこは、上達が目に見える曲芸に通ずる部分がある」と自身のルーツをたどる。
○…プロとして活動する傍ら、こま回しやけん玉など伝承遊びの普及のため全国の幼稚園や小学校を渡り歩く。「ふと今の子どもたちが箸を上手く使えていないことに気付いた。伝承遊びの楽しさを知りながら手先を上手く使えるようになって欲しい」と語る。自身の原点と経験を次の世代へ。表現者だけでなく、伝道者としての一面も垣間見えた。
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