日蓮宗樹源寺 副住職 日比宣仁 連載4 法話箋 〜鹿苑〜 「釈迦の悟り〜縁起〜」
釈迦(紀元前5世紀頃)の悟りの内容を一言で言うと「縁起(えんぎ)」です。縁起とは”モノ”の在り方の基本です。釈迦は、「この世界に存在する”モノ”(私たちを取り巻く環境と私たち自身の肉体と精神)は全て縁起なる存在である」と説きました。
新型コロナウイルスが蔓延して、生活に困る人もいれば、平時よりも収入が増える人もいる。困る人たちにとって、コロナは悪の存在でしょう。しかし、収入が増える人たちからするとコロナは善なる存在かもしれません。
この場合、「コロナは縁起なる存在である」と言えます。つまり、世の中にある”モノ”には固定的な概念はなく、状況や捉える人の立場によって、その”モノ”の存在意義が変化する。このような”モノ”の性質を縁起と言います。
釈迦は縁起を悟ることによって、生きていく上で体験する苦しみを克服したのです。
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