保土ケ谷区 コラム
公開日:2022.09.08
日蓮宗樹源寺 副住職 日比宣仁 連載17
法話箋 〜鹿苑〜
「到彼岸(とうひがん)について」
成仏の同義異語として、「度(ど)」という言葉が挙げられます。度は「渡る」という意味で、此岸(しがん)から彼岸(ひがん)に渡ることを指します。此岸とは、迷いの境地であり、貪(むさぼ)り・怒り・迷いなどに支配されている心を指します。一方、彼岸とは(俗語としては、「あの世」という意味で解釈されますが)、悟りの境地のことです。これは、仏のような穏やかな状態にある心を示します。仏教の目的は此岸から彼岸に到る(渡る)ことです。彼岸に到ることを「到彼岸(とうひがん)」と言います。よって、言葉の意味としては、「成仏」=「度」=「到彼岸」、となります。ところで、春分と秋分のお彼岸は、平安期から続く(『日本(にほん)後記(こうき)』巻一三・大同元年三月条を参照)日本独自の伝統的な行事です。亡き者に対する供養は、実は自身の心の安泰にもつながる。死者の到彼岸を祈ることは、自らにも到彼岸を齎(もたら)す。日本人はこの思想を根底に持ち、常に慎ましく、先祖や先人たちへの供養を続けてきたのでしょう。
ピックアップ
意見広告・議会報告
保土ケ谷区 コラムの新着記事
コラム
求人特集
外部リンク
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!










