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保土ケ谷区 コラム

公開日:2022.12.22

日蓮宗樹源寺 副住職 日比宣仁 連載20
法話箋 〜鹿苑〜
「有漏(うろ)と無漏(むろ)」

 煩悩(ぼんのう)に関連する言葉として、有漏(うろ)・無漏(むろ)が挙げられます。有漏とは、それを対象として煩悩(この場合は欲望)が増長(随増(ずいぞう)と呼ぶ)するものです。例えば、空腹の時に一口だけおにぎりを食べるとします。すると、空腹の故にさらに二口目を食べたくなり、三口目、四口目と無心に頬張り続けます。おにぎりがなくなってしまうと、台所に行き煎餅などのお菓子を探し、それさえも食べようとします。この場合、おにぎりや煎餅は有漏なる存在です。それらを対象として、食欲という煩悩が増え続けるからです。お金や名誉なども、有漏なる存在になりがちなものでしょう。

 一方、無漏はそれを対象としても煩悩が随増しないものです。志や夢、人としての成長などは無漏にあたります。明るい未来や、仏教の悟りへの欲求はいくら求めても、それらを貪るような渇望(かつぼう)にはなり得ないからです。ウロウロ(有漏有漏)せずに、まっすぐな人生観を養いたいものです。

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