保土ケ谷区 コラム
公開日:2023.03.23
日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載23
法話箋 〜鹿苑〜
「帰依について」
仏教における帰依(きえ)とは、自らの精神や思考を安定させ高め得(う)るものを、心の拠り所とすることです。仏教徒は仏や仏の教えに帰依し、それらを拠り所とします。
しかし、何かを拠り所とする、ということは、しばしば、何かに執著する、ということと混同されがちです。
例えば、旅の途中に休憩処があるとします。旅に疲れたら休憩処で休みます。すると、心身共にリフレッシュされ、さらに旅を続ける意欲が湧きます。旅が終われば、休憩処は必要ありません。つまりこれは、旅をする上で休憩処を拠り所としている例です。
一方、休憩処に執著するとどうでしょう。きっとその人は休憩処に居座り、もう先に進むことができなくなり、旅を終えることもなくなると考えられます。
拠り所と執著には以上のような違いがあります。仏教に限らず、自らが帰依することができる対象を見出すことは、各々の人生を豊かにするために有益でしょう。
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