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保土ケ谷区 コラム

公開日:2023.05.18

日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載25
法話箋 〜鹿苑〜
「仏教の時間論」

 仏教では、私たちが生きるこの世界の形成から消滅までを次の四段階に分けます。【1】成劫(じょうこう)【2】住劫(じゅうこう)【3】壊劫(えこう)【4】空劫(くうこう)。【1】は世界の生成段階であり、現代語で言えば、銀河とその中の惑星などが作られる期間です。【2】は銀河が安住(あんじゅう)する期間。【3】は銀河のバランスが崩れ、破滅に向かう時期。【4】は虚無(こむ)に帰している時間です。劫(こう)とは無量数(むりょうしゅ)を表す単位です。私たちの住む世界は、数え切れないほどの長い時間をかけて生成され、いずれは消滅していくことが説かれるのです。上記の四段階を現在(げんざい)四劫(しこう)といい、賢劫(けんごう)と呼びます。つまり、私たちは賢劫という時代の住人である、ということです。

 現在四劫(賢劫)の前後にも過去と未来の四劫があるとされ、過去のそれを荘厳劫(しょうごんこう)、未来を星宿劫(しょうしゅくこう)と呼びます。

 仏教には以上のような時間論があり、それは壮大です。この観点からすると、我々は無限の過去から永遠の未来に向かう大自然の流れの中の、極めて微少な存在である、と言えるでしょう。

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