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保土ケ谷区 コラム

公開日:2024.01.25

日蓮宗樹源寺 権住職 日比(ヒビ)宣仁(センジン) 連載33
法話箋 〜鹿苑〜
「仏教の難(むつか)しさ」

 「仏教」と聞いて、「難しい」という印象を受ける人は多いでしょう。その印象は、概(おおむ)ね的を射ていると言えます。というのは、仏教とは文字通り仏の教えですが、その教えが示そうとする内容(仏の悟り)が、言葉で言い表せない境地にあるからです。経典で悟りは「不可思議(ふかしぎ)」や、「難解(なんげ)」と説明されます。これらは、「言語では表現できない」という意味です。例えば、旅先で夜空に広がる満天の星を見たとしましょう。その感動は旅先でその星空を見た人にしか分かりません。家に帰って、その光景を家族や友人に説明しても伝わりません。体験談のみでその感動を完全に分かち合える人は、あまりいないでしょう。悟りも、悟りを経験した人にしか理解できないものです。『法華経(ほけきょう)』ではこの境地を「唯仏与仏(ゆいぶつよぶつ)、乃能究尽(ないのうくじん)(ただ、仏と仏のみ乃(すなわ)ち能(よ)く究(きわ)め尽(つく)す)」と表現します。以上のように、本来言語化できない境地を言葉にしている点に仏教の「難しさ」があると思います。

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