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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2024.03.21

子育て中の親子に交流の場などを提供する「パオパオの木」の代表を務める
伊藤 奈美さん
狩場町在住 53歳

母子見守り、つながり育む

 ○…狩場町のNPO法人「パオパオの木」の舵取り役としてスタッフをまとめる。自身は1児の母親。地域に暮らす母親が気軽に情報交換できるよう、2008年から親子のフリースペース「マムマム」を運営。その後、小学生の居場所「パオパオこどもひろば」、不登校の親子のための居場所「ねっこカフェ」などを次々に立ち上げ、地域交流の促進を狙う。

 ○…狩場町周辺は坂道が多く、ベビーカーを押して遠くの子育て広場などに通う母親たちを見て、「他人事とは思えない」と考えて立ち上げたのが「マムマム」。スタッフの担い手不足や保育の多様化もあり、運営は楽ではないが、クラウドファンディングを活用するなどして存続の危機を乗り越えてきた。「開所から支えてくれるスタッフの力も大きい」と感謝の気持ちを示す。

 ○…転校生で既存のコミュニティーに入れずに悩んでいた中学時代。「当時住んでいたまちの大人に祭り太鼓を習い、それがきっかけで友達が増えた。両親には相談しづらいことを気軽に話せる大人たちの存在が心強かった」と述懐する。約20年前に狩場町に引っ越し、今はまちの子どもを見守る立場。自治会町内会の垣根を越えた子ども会を作り、小学生に祭り太鼓を教えてきた。「現在はコロナ禍で活動を休止しているが、早期の再開を目指したい」

 ○…小学生から20代まで演劇に打ち込み、映画やドラマに出演した経歴を持つ。20代後半に差し掛かり、俳優から歌手に転身。「自分が本当にやりたいことをじっくり考えた上でバンド活動をしたいと思った。それも芸能界でいろいろな仕事を経験できたからこそ選べた」ときっぱり。今後も母子の価値観が広がる取り組みを企画し、人と人をつなぐ役割を果たす。

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