保土ケ谷区 人物風土記
公開日:2025.02.06
宝塚歌劇団OGで、洪福寺松原商店街を題材としたミュージカルの企画に携わった
大洋 あゆ夢さん
峰岡町出身 54歳
夢叶えて地元に凱旋
○…「いつか地元に恩返ししたい」―。18歳で故郷を離れたが、郷土愛は常に持ち続けてきた。家族と共によく訪れたという松原商店街を題材としたミュージカルを宝塚歌劇団OGで主宰する市民劇団として企画。昨年6月から地域住民らと共に稽古に励んだ。2月2日の公演には旧友も駆けつけ再会を喜んだ。
○…宮田中、保土ケ谷高を卒業。高校3年の4月に宝塚歌劇団の公演を見たことが人生の分岐点。高身長の女性たちが歌や踊りで躍動する姿に感動し、「全身に稲妻のようなものが走った」と当時を振り返る。「宝塚に入れば自己肯定感が低く、高身長がコンプレックスの自分を変えられるかもしれない」という感情が芽生えた。「夢を追わなければ一生悔いが残る」と考え、宝塚音楽学校の受験を決めた。ダンス、バレエ、声楽とどれも未経験だったが休日返上で猛練習。高倍率を突破して合格をつかんだ。「合格の知らせよりも努力が報われたという喜びの方が大きかった」
○…芸名の大洋あゆ夢には「太平洋のように大らかに、夢に向かって歩んでいく」などの意味が込められている。宝塚では男役として約11年間活動。戦国武将や新聞記者など幅広く演じる上で歴史の勉強にも励み、学ぶことの大切さを知ったとか。今はモデル事務所で演劇講師を務めており、子どもも指導。ゲームを交えた練習を取り入れ、演技の楽しさを伝える。「成功体験をつくってあげたい」と大らかに子どもたちを見守り、夢への挑戦を後押しする。
○…大工だった父親の血が騒いでか、アクセサリーやステンドグラスなどのものづくりに興味を示す。「仕事がひと段落したら創作に熱中する生活もありかもしれない」と笑い、人生をより豊かにする方法を探る。
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