相鉄線とJR線が11月30日、相互直通運転を開始する。これにより横浜市西部や神奈川県央部が都心部と直結。新たな鉄道ネットワークが形成され、アクセス向上のほか周辺路線の混雑緩和、地域活性化などが期待されている。一方で、現状鶴見駅は通過するだけとなっている。
相鉄・JR直通線は神奈川東部方面線の一部として整備が進められてきた事業。計画当初は、2015年までの開業が適当とされていたが、用地取得の難航などで2度の延期があり、今年11月30
日の開業となった。
利用者一日約7万人
これまで他路線との相互乗り入れをしていなかった相鉄線。直通線開業で、横浜駅で乗り換えをせずに都心部へ行くことが可能になる。相模鉄道(株)担当者は「直通線の開業により、横浜駅の乗降人員は一日約4万人減るものの、直通線の輸送人員は一日約7万人を見込んでいる」と話す。また、相鉄線主要駅の二俣川駅から新宿駅の所要時間は約44分となり、概ね15分短縮。戸塚や上大岡など、横浜市が主要な生活拠点に位置付けている駅から新宿駅までと同程度になり、地域の発展や活性化なども期待されている。
市内の新駅は11年ぶり
直通線の開業により、神奈川区に羽沢横浜国大駅が新設。市内の新駅設置は、08年の市営地下鉄グリーンライン開業以来11年ぶり。周辺の土地には地区計画が定められ、今後、商業施設や住宅・広場などが整備される。
鶴見駅停車 今後も要望継続
鶴見駅への中距離電車停車は、長年にわたる宿願として、区民らが毎年、JR東日本に対して継続して要望を続けている事項だ。現在は、区民や区内企業・団体から成る鶴見駅中距離電車停車等推進期成会として活動。相鉄・JR直通線を好機とし、署名活動なども行ってきた。ホーム新設スペースなどの問題はクリアし、現段階での課題は、請願駅として自治体負担となる費用面だ。
期成会の石川建治会長は「開業に間に合わなかったのは残念」と正直な気持ちを吐露。一方で「これで終わりではない。これからは実際に目の前を電車が通過する。機運を高めたい。多くの人に我々と一緒に何とかしたいと思ってもらえれば」とし、実現へ向けて活動の継続を誓った。
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