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鶴見区版 公開:2021年8月19日 エリアトップへ

「土木事業者・吉田寅松」㉙ 鶴見の歴史よもやま話 鶴見出身・東洋のレセップス!? 文 鶴見歴史の会 齋藤美枝 ※文中敬称略

公開:2021年8月19日

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東北・北海道開発のための鉄道建設

 新橋・横浜間の鉄道の開通により所要時間は大幅に短縮し、人や物の動きが盛んになり、経済、生活、文化、観光の振興などさまざまな面で沿線地域や社会全体に発展をもたらすようになった。

 明治新政府は、欧米先進国の植民地化の波にさらされながら、産業と軍備の「近代化」をすすめた。鉄道網整備も大きな柱の一つだった。

 北海道を開拓するために明治二年に開拓使が設置された。

 明治四年には開拓次官の黒田清隆が、アメリカの農政学者ケプロンらの御雇外国人を招き、北海道の地形や鉱山などを綿密に調査測定して、西洋式農業経営を導入し、道路や鉄道の敷設、札幌農学校の設立など、北海道の総合開発十年計画を策定した。

 北海道では、開拓使顧問アメリカ人技師ホーレス・ケプロンの指導のもと、幌内川上流の埋蔵量の多い幌内の炭田を開発し、石炭を運ぶために明治十五年に幌内・札幌間の官営鉄道を開業させた。

 明治五年に新橋・横浜間の鉄道を開業させ、明治七年には神戸・大阪間の鉄道を開業させたことで、距離と時間を短縮させ、人と物資も迅速に移動させることができる鉄道の利便性が文明開化・進歩の象徴となり、急速に鉄道敷設の機運が高まっていた。

 日本の地勢は、山が多く平野が少ない。背骨のような山脈が連綿として日本列島を縦断し、急峻な山や谷が海岸線まで迫っている。

 その山頂を分水嶺として大小さまざまな河川が山あいを紆余曲折しながら南北に流れ、大地を潤しながら太平洋や日本海にそそいでいる。

 が、明治時代になるまで、橋が架かっている川は少なく、旅行者は大雨や大雪で水かさが増せば川止めになり数日、川岸の宿で待たなければならなかった。盗賊に襲われたりする危険もあった。

 江戸時代、各藩の大名はそれぞれに城を中心にした城下町を築き、領地内の道路などは整備したが、隣国と境する道路は、防御のために険阻のままとし関所も設けていた。

明治維新後も険しい道

 明治維新後も、東京から北海道へ行くには、江戸時代に設置された奥州街道の百以上の宿場を通り、山野を超え、橋のない川を渡る長く険しい道をひたすら歩かなければならなかった。

 明治政府内では、東北や北海道の開発に必要な大量の物資や人員を迅速かつ安全に輸送する手段として、鉄道建設の機運が早くから高まっていた。明治五年十一月には鉄道寮の役人が東京・青森間の鉄道敷設用地の測量を開始していた。

 しかし、新橋・横浜間の鉄道開業に大きな役割を果たした高島嘉右衛門が、明治六年に建言した東京・青森間の鉄道建設は、財政難などの事情から却下された。

 高島の意をくんだ岩倉具視が政府要人などにはたらきかけ、明治十四年に民間資本による「日本鉄道会社」を創立させ、政府の手厚い保護を受けながら、東京・青森間の鉄道建設に着手し、第一区線として、明治十六年七月に上野・熊谷間を開通させた。
 

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