生麦の「菓心 雪梅庵」の熊雪梅(ゆう せつばい)さん(38)が、全国菓子研究団体連合会主催の「第11回技術競技大会」で金賞を初めて受賞した。和菓子を学ぶために中国から来日して12年半。熊さんは「今後もさらに腕を磨き、皆さんに愛される和菓子を作っていきたい」と喜びを語った。
同大会は、全国の若手和菓子職人の研鑽の場として毎年開かれ、上生菓子・引き菓子、盆景菓子、工芸菓子の3部門がある。熊さんが出品した上生菓子部門は、和菓子の多彩な技法を用いて、四季のうつろいや花鳥風月を表現するもので、今年は「平和」をテーマに約70人が参加した。
熊さんは今回が4年ぶり2度目の挑戦。材料や色の異なる「五つ盛」で技術はもちろん、独創性も重視される同部門。熊さんは、菓子の真ん中に空洞を開け、金粉を振りかけて夜明けに差してくる太陽の光を表す「曙光」を表現したものや、平和の象徴のハトをイメージした上生菓子などを出品。グランプリに次ぐ金賞受賞について「全国の有名なお店の人も出場する中での受賞は今でも信じられない」と笑顔で喜びを語った。
熊さんは中国四川省出身。24歳の時に目にした和菓子の美しさに惹かれ、職人を目指して来日。日本語学校から和菓子の専門学校に通い、有名な和菓子店などでの6年間の修行を経て、2018年に生麦に雪梅庵を開いた。鶴見の地を選んだのは「人情の厚さに惹かれて」。今では素材の味を活かした「恩返しどらやき」やフルーツ大福が人気の店になった。
今後はキッチンカーも活用し、より多くの人に和菓子の素晴らしさを伝えたいと話す熊さん。「和菓子は日本文化を知ることが大事。今後も腕を磨き、多くの人に喜ばれる和菓子を作りたい」と意気込みを語った。
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