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神奈川区 人物風土記

公開日:2013.06.13

神奈川区で最も長く家庭保育福祉員を務めている
判治(はんじ)美知子さん
片倉在住 64歳

自然と触れ合う環境を



 ○…片倉町駅徒歩5分、とある民家から毎日軽快なピアノの音と、子どもたちの笑い声が漏れてくる。そんな日々が始まってから早16年。今では近所の人も、気軽に子どもたちに声をかけてくれる。「毎日が本当に楽しくて充実しています」と顔をほころばせる。自宅を開放し、子どもを受け入れることには様々なリスクが伴うが、「この仕事はずっと続けていきたい」と語る。成長し、高校生になった子どもから手紙をもらったり、保育園に進んだ子どもがいらなくなったおもちゃを持ってきてくれることが嬉しくてたまらない。



 ○…家庭保育福祉員を始めたのは、子どもが小学校に入学した頃に役所から紹介されたことがきっかけ。最初は、その責任の重さを考え悩んだ。それでもやろうと思えたのは、理解のある家族がいたから。夫は積極的に子どもたちと関わり、今は家庭菜園で一緒に収穫作業を楽しんでいる。小学生の時から手伝いをしていた一人娘は今年、幼稚園教諭として働き始めた。



 ○…出身は佐賀県の馬渡島(まだらしま)という離島。結婚を機に横浜へ移住した。しかし、体調を崩してしまい療養のため島に舞い戻る。保育の仕事に出会ったのは、その時だ。保育園の手伝いを頼まれ、子どもたちと接するように。木登りや川遊びなど、自然の中で思う存分遊ぶ姿が自分の子ども時代と重なった。当時の経験が、今の保育スタイルに大きな影響を与えている。



 ○…「三つ子の魂百まで」。幼い頃に遊んだ経験は、記憶としてはなくなってしまっても何かしらの影響が残り続けると信じている。だからこそ、子どもたちが自然と触れ合う環境を大切にしている。夫の家庭菜園然り。表情や言葉ひとつにも気を遣っている。「子どもたちは大人が思っている以上によく見てますからね。自然に真似するようになるんです」。これからも、子どもたちに自然体で接し、自然の中で成長を見守り続ける。

 

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