ハマロードサポーターの一員として、かなっく広場を手入れしている 佐野 育子さん 新町在住
花通じて会話生みたい
○…JR東神奈川駅と京急仲木戸駅を結ぶ「かなっく広場」で通行人の目を楽しませている、花壇に植えられた花々。道路の美化活動を行うボランティア、ハマロード・サポーターをはじめ、近隣住民や企業に勤める人々の協力で手入れされている。記者に向かって「佐野さんはとても熱心だから取材してみて」と話す仲間の言葉に、「本当は彼が一番熱心なの」と少し困った表情で耳打ちする。
○…故郷は山梨県南部町。茶やわさび、しいたけを生産する農家に生まれた。「お隣さんどうし、お互いの畑で茶摘みを手伝った」と懐かしむ。高校を卒業して上京し、精密機器メーカーに就職。40代で日本百名山を完登すると「燃え尽き症候群になってしまった」と、定年前に会社を早期退職。健康的な食生活に興味を持ち、調理師専門学校に通った。「肉、魚、野菜はしっかり摂ること。先日血管年齢を調べたら48歳だった」と目を見開く。
○…花に興味を持ったのは6年前。市民農業大学講座で野菜コースが人気だったため、花コースを選択したことがきっかけ。今年に入り区役所職員に勧められ、かなっく広場の手入れに参加することになったが、「講座の実習ではポットの苗を出荷する体験だったから、花壇で花を育てる経験なんてなかった」。毎朝の日課である散歩中に、民家の花壇などを眺めて参考にすることもある。「手入れしているとき、通りかかった人に『いつもありがとう』と声をかけられると嬉しい」
○…区内の農業サークルに所属し、畑での土いじりもお手の物。文化財協会や緑化活動にも参加し、神奈川のことに興味津々だ。それでも、携帯に収めた写真を見ながら「月に一度、帰郷するときに電車から見える富士山。きれいでしょ」と、故郷の景色に思いをはせる。そんな写真に収めたくなる景色、そして会話が生まれる場所へと、「かなっく広場を一緒にきれいにする仲間が増えれば」
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