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神奈川区 人物風土記

公開日:2020.09.10

ヨコハマパラトリエンナーレの総合ディレクターを務める
栗栖 良依さん
白幡南町在勤 

多様性ある世界へ

 ○…障害者と芸術家が作り上げる現代アート国際展「ヨコハマパラトリエンナーレ」の総合ディレクターに6年前の立ち上げから就任。障害者が参加しやすいようアカンパニスト(伴奏者)を採用するなど、開催毎に課題を見つけて社会改革の一助になればと工夫を凝らしてきた。コロナの影響で外出がままならない障害者たちが孤立しないよう、今年はオンライン配信とリアルイベントの融合という新たな切り口で臨む。

 ○…スローレーベルの理事長で、アーティストと企業らを繋いでモノやコトづくりに取り組む事業を展開。中でも柱となるのがソーシャルサーカスだ。障害者らがともに体を動かしコミュニケーションを図るもので、普及を目指し結成した日本初のカンパニーには団員30人が所属し、昨年からは誰もが参加できるスクールも開校した。「個性を褒め、やりたいことを多様な人々で作っていくのが、ソーシャルサーカスの醍醐味」と語る。

 ○…16歳から「平和活動と舞台芸術の場であるオリンピック開会式の演出」を夢見て、大学ではアートを専攻。33歳で骨肉腫を患い、夢はリセットされたかに思われたが、パラトリエンナーレでの総合ディレクターとしての活動が評価され、リオパラリンピックの旗引き継ぎ式ではステージアドバイザーとして活躍。東京五輪・パラ開閉式総合演出チームのクリエーティブディレクターにも就任している。

 ○…アウトドア派で旅行や温泉が趣味だが、外出自粛生活の中でラジオや動画配信に力を注いでいる。日頃の講演会では話さない日常や舞台裏などをテーマに自ら編集し、週1回のペースで発信する。発病時に知人から届いた「絶対大丈夫」の言葉が支えとなり、今日も前へと歩んでいく。

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