100年間受け継がれる「節分追儺式」を執り行った、笠䅣稲荷神社の宮司 小野 和伸さん 東神奈川在住 58歳
”福”あふれる地域に
○…「神社行事は地域の方の幸せや、世の中の平和を願って行うもの。だから疎かにできない」―。世界中が感染症蔓延の影響を受ける中”疫病退散”の祈りを込め、100年間継承されてきた「節分追儺式」を関係者のみで執り行った。宮中に伝わる追儺式にならったもので市無形民俗文化財認定の伝統文化。先祖代々の儀式を次世代に伝えたいと、毎年母校の小学生に参加してもらい地域に福を呼び込んできた。「コロナ禍にあっても、工夫を凝らし厳かに神事ができて良かった」
○…神奈川小・浦島丘中・翠嵐高校の卒業生。幼稚園時代から野球好きで、高校では野球部に所属し4番センターで活躍した。強豪・横浜高校に市大会で勝利するなど、チームの功績は今なお同校の語り草になるほど。大学進学後も野球部監督が幾度も勧誘するほどの腕前だったが、実家である笠䅣稲荷神社の後継ぎになるために、神主修業に専念した。父が勤務する國學院大學の助手や、40歳以下の神職が集う県神道青年会会長職など、若いうちから経験を積み45歳で宮司に就任した。
○…後進育成にも尽力し、30年近く出身校の國學院大學で教鞭を執る。祖父の代から神職の祭式を専門に指導してきた。「作法は身をもって体験してこそ理解が深まる」と対面授業にこだわり、希望者に笠䅣稲荷神社の祭事に参加できる体制も整える。「一般家庭の学生も多いので実際に経験できる場が大切。立派な神職に巣立ってほしい」
○…絵が好きで、美術館巡りが趣味。特に洋画家・木原和敏氏の女性画に魅せられ、自宅のコレクションを眺めるのが癒しの時。座右の銘の「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は、娘の名前に使うほど感銘を受けた言葉。「謙虚に誠実に人の役に立つ人生でありたい」
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