神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
神奈川区版 公開:2021年6月17日 エリアトップへ

匠の溶接 安全運行支える 田中聖一さんに黄綬褒章

社会

公開:2021年6月17日

  • X
  • LINE
  • hatena
溶接作業を行う田中さん(大宮総合車両センター提供)
溶接作業を行う田中さん(大宮総合車両センター提供)

 政府が発表した春の褒章で、東日本旅客鉄道(JR東)大宮総合車両センター=埼玉県=で電車車両の溶接工として働く田中聖一さん(57・区内在住)が黄綬褒章を受章した。

 田中さんは、モーターやブレーキなどの重要な機器が集中する「電車の心臓部」ともいえる台車の修繕や車両の改造工事に携わる。これまでにボイラー溶接士の全国大会入賞や、埼玉県の溶接技術競技会で4度にわたる県知事賞の獲得、難易度の高い蒸気機関車(SL)の修復に携わるなど多くの功績を残し、2014年度には厚生労働省から「現代の名工」に選出されている。

 歌舞伎役者の中村吉之丞を父に持ち、幼少期は役者としての教育を受けていた。父の出番時には電車に乗って劇場に足を運んでいたことがきっかけとなり、幼い頃から「将来は電車の運転士に」という夢を抱いていたという。

 中学卒業後、旧国鉄鉄道学園に入学。実習で初めて溶接を体験し、「最初はわずかな範囲しかできませんでしたが、アドバイスを受けて自分なりに上手くできたことから興味を持つようになりました」と振り返る。

父同様「生涯現役」

 仕事をする上で最も大切にしていることは「確実な溶接」の徹底だ。一歩間違えれば車両故障や事故を引き起こしかねない作業だからこそ大きな責任を感じるが、「溶接はものづくりの要。図面指示で鋼板を切断し曲げ加工をして、溶接で製品として組み上げることや、車両の新造で車体を造り上げた時に達成感が込み上げます」と笑顔で語る。

 溶接工としてのキャリアに、褒章という輝かしい経歴が加わった田中さん。「技術や技能の向上に終わりはありません。まだまだ勉強して吸収していきたい。最終的な目標は、役者の父と同じ『生涯現役』ですね」。いぶし銀の技に磨きをかけ、乗客の安全を陰ながら支えていく。

黄綬褒章を受けた田中さん(同センター提供)
黄綬褒章を受けた田中さん(同センター提供)

神奈川区版のローカルニュース最新6

總持寺・花月園を巡る

神奈川歴史散歩

總持寺・花月園を巡る

5月25日(土)、約4キロ

4月25日

食と音楽の「混沌」楽しむ

食と音楽の「混沌」楽しむ

六角橋商店街「ヤミ市」

4月25日

プロの指導で吹奏楽

かなっくホール

プロの指導で吹奏楽

5日間の特別体験

4月25日

アートで社会課題を表現

EduArt

アートで社会課題を表現

区内児童の作品も多数

4月25日

最上階施設の開業日決定

鶴屋町高層ビル

最上階施設の開業日決定

6月20日 イベントホールなど

4月25日

非常用トイレ備えて安心

自宅便座に簡単設置

非常用トイレ備えて安心

マンションで逆流トラブル

4月25日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月18日0:00更新

  • 2月29日0:00更新

  • 2月15日0:00更新

神奈川区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

神奈川区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook