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公開日:2025.02.06

科学の甲子園
翠嵐高が全国大会へ
知識と技術を競う

  • 科学部のメンバーたち

 横浜翠嵐高校科学部が3月に行われる「第14回 科学の甲子園 全国大会」に神奈川県代表として出場する。昨年12月の県大会で優勝し2回目の出場権を獲得。部長の玉山吾生さん(2年)は「全国はレベルが上がるので、部員全員の力を総動員して戦いたい」と話す。

 科学の甲子園は、高等学校(中等教育学校後期課程、高等専門学校含む)の生徒チームを対象として、理科・数学・情報における知識や技術を競うもの。科学好きの生徒に活躍の場を用意し裾野を広げようと、国立研究開発法人科学技術振興機構が2011年度に始めた。

 8人1組のチームで2つの競技の総合成績で順位を競う。筆記競技は、物理・化学・生物・地学・数学・情報から出題され、教科・科目を横断する問題もある。制限時間内で、相談したり分担したりして解き進める。実技競技は、科学技術を活用することで解決できる課題が与えられる。各チームでその解決策を考案し、その成否や成功率などで競われる。県大会では事前に伝えられた課題が1つ、全国では事前周知の課題1つに加えて、当日発表される2つの課題に挑戦する。

部員一丸で県V

 昨年12月に神奈川県立総合教育センター=藤沢市=で行われた県大会には、25校が出場した。横浜翠嵐は筆記競技では出遅れるも、実技競技で1位を獲得。総合成績で1位となり、第9回大会以来の全国出場(同年の全国大会はその後開催中止)を決めた。

 実技競技に向けては約1カ月前から、出場メンバー以外の部員も含め全員で知恵を出し合って準備を進めてきた。指定された材料を使い、課題解決のための装置を作る必要があるなか、「それぞれが思いついたアイデアを出し合って試行錯誤を繰り返した」と副部長の大塚菜々陽さん(同)は話す。

 本番まで何度も調整を重ね、データの分析も自分たちで行い、再現性などを高めた。当日は各チームが苦戦し、横浜翠嵐も失敗が続いたが、後半には成功を重ねて見事に優勝を決めた。結果は大会後に学校で告げられたといい、嬉しくて涙を流した部員もいた。

3月に茨城県へ

 47都道府県の代表が揃う全国大会は、3月21日〜24日に茨城県で開催される。現在は、事前課題の準備に取り組んでいる。玉山さんは「部員全員の知識を総動員し、昨年の先輩たちの思いも背負って、自分たちの力を出し切りたい」と意気込みを語る。期間中には研究機関の見学もあるといい、「全国の優秀な科学が好きな人が集まるので、たくさんのことを学びたい」と大塚さんは笑顔を見せる。

 科学部は週2回、2年生13人と1年生10人で活動している。文化祭での企画や年2回の沢渡三ツ沢地域ケアプラザでの児童向け科学教室の開催などに取り組む。2年生が後輩に化学を教えることもある。

 活動の中心の2年生は、特に仲の良さが特徴。科学博物館を一緒に見学したことから絆が深まった。各自の課題に探究する活動も多いが、自然と集まり意見を交わすこともしばしば。「部活終わりには、一緒にたい焼きを食べに行く」と副部長の内田真樹さん(同)は微笑む。工学や生物学など、得意ジャンルも異なるメンバーがいるからこそ、「科学の面白さや知識が広がる」という。日々の活動で培った知恵と絆で、全国の舞台に挑戦する。

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