神奈川区 社会
公開日:2025.07.07
令和7年7月7日 特別企画
神奈川区七島町の町内会長たちが座談会
第二京浜の「七島町」交差点を中心に、大口1番街や「浦島太郎伝説」の残る蓮法寺などがあり、下町情緒と人の繋がりが息づく七島町。令和7年7月7日にちなみ、七島町の町内会長3人が特別対談。東・西・南、それぞれの町の歴史や現在、そして未来について語り合った。
気取らない下町
記者 令和7年7月7日にちなみ、神奈川区で「7」がつく地名といえば七島町だということで、西町内会の田鎖晴美会長、南町内会の伊藤厚志会長、東町内会の内田博之会長にお集まりいただきました。まずは、皆様が感じる町の魅力や歴史についてお聞かせください。
内田会長 やはり、昔ながらの商店街が身近にあり、交通の便も良い、気取らない「下町」である点ですね。郷土史によれば、「七島」という地名の由来は、昔このあたりが海に面していた頃、沖から見ると7つの丘が島のようにぽこぽこと見えたからだと聞いています。歴史のある町ですが、排他的ではなく、新しい方も自然に受け入れている雰囲気があります。
田鎖会長 本当に人情に厚い町です。私自身、子どもの頃から周りの方々にとても可愛がってもらいました。昔の子安駅のあたりはとても長い踏切で、子どもの足では一度で渡れないほどでしたが、そんな風景も今では懐かしい思い出です。子安と大口、二つの駅が使えて利便性が高いのに、一歩入れば静かな住宅街。最近は単身者も多いですが、昔からのお付き合いの方もたくさんいますね。
伊藤会長 南町は商店街に面しているので、また少し様子が違いますね。昔の話を聞くと、今の住宅街のあたりもかつてはお店が並んで、飲み屋街が広がっていたそうです。それくらい賑わいのある場所だったと。
内田会長 今でいう野毛のような感じだったそうですね。歴史を遡ると、南町さんの方は華やかな商業エリア、私たち東町や田鎖会長の西町は、昔ながらの一軒家が並ぶ住宅地という色分けができます。今でもその名残はありますね。
それぞれの活動
記者 世帯数も西町が約660、南町が約350、東町が約110と、規模も様々です。それぞれの町会活動はいかがですか?
伊藤会長 南町では2年に一度の運動会のほか、祭りでは毎回神輿を出しています。正直、町内会のメンバーだけでは担ぎ手が足りませんが、他の町会の方々が応援に来てくれるからこそ、伝統を続けられる。その繋がりが何よりの財産ですね。
田鎖会長 西町は地区全体のほかに、町会単独でも盆踊りをやりますが、やはり若い人の力が必要不可欠です。うちは親から子、子から孫へと祭りの文化が受け継がれているのが強みですが、担い手の確保は常に課題です。お神輿はもう何年も出せていません。「担いだらみんな死んじゃう」なんて冗談も出るくらい、高齢化が進んでいますから。
内田会長 東町は規模が小さいので、大きな町会と同じことはできません。その代わり、防災に力を入れています。以前、消防署の方に来ていただいて心肺蘇生の訓練を行ったのですが、その数週間後、実際に町会の集まりの最中に目の前で人が倒れるという出来事がありました。訓練に参加した住民が冷静に救命措置を行い、一命をとりとめたのです。訓練は決して無駄ではないと、地域全体で実感できた貴重な経験でした。小回りが利く分、こうした「いざという時に役立つ」企画に集中できるのが、うちの強みかもしれません。
地域の課題
記者 どの町会も、新しい住民との関係づくりや、担い手の世代交代という共通の課題に直面されているようですね。
内田会長 昔と違い、今はワンルームマンションなども増え、町内会に入らない方もいます。一方で、この町の住みやすさに惹かれて、子育て世代の若い方が戻ってきているという良い変化もあります。そうした新しい方たちと、どうやってうまく融合していくかが重要です。
田鎖会長 西町は世帯数こそ660ありますが、高齢化が相当進んでいます。一方で、独身の若い男性が増えており、その方たちが青年部に入ってくれることもあります。盆踊りや防災訓練といった行事では、多くの方に手伝ってもらっています。
七島町の未来
記者 ありがとうございます。それでは最後に、そうした課題も踏まえ、今後の町の未来をどのように描いているか、お一人ずつお聞かせください。
内田会長 東町は、県営アパートの移転などで一時期より世帯数が減り、昔からの行事や文化が一度途絶えかけてしまった部分があります。ですが、ないものを嘆くのではなく、これから新しい文化を住民の皆さんと一緒に作っていけばいい。そう考えています。まずは防災活動を軸に、顔の見える関係を地道に築いていきたいです。
伊藤会長 私の目標は、次の世代、特に40代、50代の方が活動の中心を担っていけるような、風通しの良い町内会にすることです。昔ながらの「青年部」が「イベント部」と名前を変えて、お揃いのTシャツで町内の行事をしています。そうやって、若い世代が「自分たちの活動だ」と感じられる雰囲気づくりを、今から始めています。
田鎖会長 自治会町内会の活動は「自分が楽しくなければ続かない」というのが、10年以上会長をやってきてたどり着いた私の信条です。私は大口七島地区でも唯一の女性会長ですが、男性の視点、女性の視点、両方があって初めて物事は丸く収まる。先輩会長が基礎を築いてくれた人情味あふれる精神を受け継ぎながら、新しい住民も、昔からの住民も、一緒になって楽しめる。そんな柔軟な自治会運営を、これからも続けていきたいと思っています。
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