神奈川区 文化
公開日:2026.06.18
六角橋「Kazu」閉店へ 神大デビュー支え57年
ギターやバイク、動物の派手な柄が印刷された黒いTシャツが掲げられた店先に、「SALE」の赤い文字が並ぶ――。
六角橋商店街大通り沿いの洋服店「カジュアルショップ Kazu」が、6月30日(火)で閉店する。店主の坂本和雄さん(88)が31歳で店を開いてから57年。往時は地方から進学した神奈川大生の「大学デビュー」を後押ししてきた同店が、その歴史に幕を閉じる。
紳士服店で約10年勤めた坂本さんが独立したのは1969年。若者が多い大学周辺を探し、六角橋にたどり着いた。当時の衣料品店といえば紳士服店や洋品店が大半だったが、「これからはカジュアルの時代」というデザイナーの知人の助言から、店名に「カジュアルショップ」を入れた。「渋谷、新宿のセンスと元町のムード」を掲げ、服の修繕店に勤めていた妻と二人三脚で店を切り盛りしてきた。
同店を彩ったのは若者たちの存在。神大生や、近隣の工場街の若者がこぞって足を運んだ。地方からの進学を機に大学デビューの服を求めてやってくる学生も多く、「Kazuファッション」と呼ばれたチェーン店にない個性的な品揃えでその一歩を後押しした。神大生をアルバイトに雇うこともあり、坂本さんは「地方の言葉を色々教わった」と目を細める。
学生時代懐かしむ客も
近年、仕入れ先の問屋が減少したこともあり閉店を決断。最近はかつて学生だった50、60代の常連が当時を懐かしみ足を運ぶ。常連客のひとりは「昔からスカジャンやジーンズなどを買っていた」と名残惜しそうに話す。現在、在庫限りで最大80%の売りつくしセールを実施中。
坂本さんは「六角橋という素晴らしい街で自分の店を持つという夢を叶え、88歳まで元気にやってこられた。57年間本当にありがとうございました」と感謝を述べた。
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