市は、川崎就労定着プログラム「K-STEP」プロジェクトを始動。市内事業所が開発した「セルフケアシート」を活用し精神障害者の就労定着を図るもので、今後採用企業の広がりが期待されている。
川崎市は、主に精神障害者の就労定着を図るためのプログラム「K-STEP」プロジェクトを始動させる。 同プロジェクトは、市内麻生区にある就労移行支援事業所「働くしあわせJINEN-DO」(石田和之代表)が開発した「セルフケアシート」を活用し、精神障害者の外見ではわかりにくい心身のコンディションの「見える化」を図ることで、当事者は自発的に必要な対処を行い、企業側もコンディション等の共有化により安定就労に必要な明確な配慮ができ、働きやすい職場環境づくりがしやすくなるという取り組み。
同事業所の北村尚弘理事によると、これまで障害者が就労する際には特徴などを記入したプロフィール表を企業に提出。企業側はそれをもとに配慮を図ってきた。しかし精神障害者は感情の変化があるため、同表の内容だけでは企業側も状態を把握できず、適切な配慮が提供されずに結果離職してしまうケースが少なくなかったという。そこで、同事業所では調査・経験に基づき、「セルフケアシート」の作成に着手。働く側の状態がわかりやすいように、「良好」「注意」「悪化」という3段階に分け、同事業所が2012年7月の開設以来把握してきた感情のサインを項目に入れ朝昼晩にチェックすることで、状態の変化や傾向を当事者も採用企業側も側把できるシートが完成した。
同事業所は、昨年10月にシートの活用を市に提案。今プロジェクトへの採用が決まった。
市は、今年2月から市内の他の就労移行支援事業所10カ所と就職先企業15社で、試行運用し効果を検証。企業側、当事者ともに好評で、今後の活用の広がりが期待されている。
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