川崎市は、民間業者と提携して宮前区役所など市内の公共施設5カ所にオープン型の宅配ボックスを設置し、先月から利用を開始した。再配達を抑制し環境負荷軽減や宅配効率の向上に寄与することが目的だ。
宅配ボックスとは、不在時でも荷物を受け取ることができるロッカー型の設備。今回導入されたのは、パックシティジャパン株式会社(東京都)がサービス提供する「PUDO(プドー)ステーション」。鉄道駅構内や店舗など市内約80カ所にも設置されている。受け取り場所に設定した宅配ボックスに運送会社から送られた暗証番号を入力し、指でパネルに署名すると、荷物の入っている扉が開く仕組みだ。
設置されたのは、宮前区役所、ヨネッティー王禅寺(麻生区)多摩区役所、麻生区役所、ヨネッティー堤根(川崎区)。庁舎や市の施設に設置されるのは県内自治体として初めて。宮前区役所は1階の守衛室奥の通路に設置され、平日の午前8時半〜午後5時に利用可能。麻生区役所と多摩区役所に設置されたものは、24時間利用可能だ。
エコや働き方改革にも
国土交通省によると、2017年度の宅配便取扱個数は約42・5億個に上る。その内の約2割が再配達になっており、年間約9万人のドライバーの労働力に相当し、CO2排出量は42万トン以上になるという。市はCO2排出量削減や、宅配効率、生産性の向上による働き方改革への貢献、利便性向上のため、市民が再配達抑制を選択できる取り組みとして庁舎内に宅配ボックスを導入した。
「PUDO」を利用できる業者は、現在ヤマト運輸(株)などに限られているが、同社によると順次利用可能会社を追加していくという。市内各区に設置するかについて市担当者は「利用状況や敷地内の様子を見ながら、広げていきたい」と意向を話している。
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