日本精工鷺沼運動場の利用について、市は譲渡先の昭和大学側と意見交換を進めている。施設開放や環境配慮など「市民の声」を要望。新たな土地利用の決定までは、区民へのグラウンド開放が継続される見込みだ。
日本精工(株)が保有する運動場は敷地面積3・6ヘクタール=写真。地域貢献の一環として、2006年から一部グラウンドを開放。現在はコロナ禍で利用は停止しているが、区民の生涯スポーツの振興に寄与してきた。
経営資源の有効活用を模索する同社は、首都圏の施設再編の検討を進める同大学と、用地譲渡に関して協議。4月末には学校法人に譲渡することが公表され、6月議会で学校法人名が明らかになった。引き渡しは10月29日予定だという。
これを受け、市は大学側に地域貢献の継続や環境配慮などを要望。市担当者は「施設開放は暫定的に了承された。鷺沼再開発との相乗効果も含め、今後も宮前区全体の活性化を考えて交渉していきたい」と話す。
「薄墨桜を守って」
ボランティア団体「鷺沼にんじんクラブ」(中村昭子代表)は、約20年前に同運動場に植樹した薄墨桜の保全を求めている。「親株は『日本3大巨桜』の一つ、岐阜県本巣市にある樹齢1500年の一本桜。由緒ある桜なので、移植でもいいから保存してもらいたい」と思いを話す。
大学の担当者は「詳細についてはこれから検討するが、地域に愛される大学として、将来の土地利用について考えていきたい」と前向きな姿勢を示している。
宮前区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>