詐欺の被害を水際で防いだとして、多摩田園タクシー(馬絹)の運転手・篠田一夫さん(64)に10月7日、宮前警察署(竹之内信尋署長)から感謝状が贈られた。竹之内署長は篠田さんの勇気ある行動に感謝を示し、引き続きの安全安心を呼び掛けた。
篠田さんは9月25日、鷺沼駅で客を乗せた。男は「行先で物を預かるから、戻ったら銀行に行ってほしい」と一言。その後は終始携帯電話で話しっぱなしだった-。「まっさきに怪しいと思った」と篠田さんは振り返る。住宅街で待っている間に、篠田さんは宮前署へ通報。鷺沼駅に引き返し乗客を降ろし、駅近辺にいた客を宮前署員が確保した。
タクシーが特殊詐欺犯の足に使われるのが多いことから、同署では8月に区内3駅でタクシー運転手を対象に啓発チラシを配布。「スーツを着て車内で電話している」「住宅街まで送らせて5分位で戻り、コンビニなどに立ち寄る」など犯人の特徴が書かれており、篠田さんは車内にチラシを常備していたことから逮捕につながった。
同署によると、これは共謀した男らが「保険料の戻りがあるのでキャッシュカードと通帳はあるか」などと区内の80代女性宅に電話しだまし取ろうとしたもので、余罪も含め調査中だという。贈呈式で篠田さんは「緊張したが、被害につながらずよかった」と笑顔を見せた。同社の岡崎均常務は「これを機に、みんなが関心を持ってくれたら。引き続き社内でも啓発していく」と話した。
青パト歴20年
篠田さんは、都筑区で青色防犯パトロールの活動を20年続け、青少年指導員も務める。竹之内署長は「地域の監視の目が重要。今回は、ためらわず通報してくれたことが逮捕につながった」と感謝。「もし犯人でなくとも警察で対応するので、怪しいと思ったらまず通報を」と呼び掛けた。
区内では今年32件の詐欺被害があり前年比8件増。被害額は約4000万円(100万円増)。同署によると夏頃から還付金詐欺の電話が増えているという。
宮前区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>