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宮前区 コラム文化

公開日:2022.03.04

タウン探偵団 ファイル26
馬絹農家の秘めた努力

  • 結束機で束ねる吉田さん

  • 出荷直前の花桃

 桃の花がきれいに咲く時季から「桃の節句」と呼ばれるひな祭り。馬絹の花桃が長い歴史を持つことは、多くの読者もご存知のことだろう。しかし、なぜ有名なのかを知っている方は少ないのではないだろうか。そこで、花より団子のエージェントNでも美しいと思う「馬絹の花桃」について調べてみた。



 訪ねたのは馬絹で古くから花き農家を営む吉田義一さん。吉田さんは枝を細い紐で束ねる「しおり」技術など、花桃のスペシャリストだ。「花桃の歴史は江戸中期からだが、祖父の吉田仲右衛門が草分け的存在で、戦後から発展していった」と話す。冬場に弾力のある枝を手作業で束ねるのは重労働だったが、吉田さんは枝折りが可能な結束機を長い年月をかけ考案。大幅な作業効率改善を成し遂げた。



 他にも開花時期を早める品種改良や、花を長持ちさせるための「水揚げ剤」の改良など努力を続けた結果、吉田さんは優れた技能を持つ「かわさきマイスター」に認定。馬絹地区の農家が努力を重ね、全国的にも有名となった。美しい花桃の陰には、努力を重ねた農家の姿があった。

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