市政報告 急傾斜地・レッドゾーン安全対策を 自民党 川崎市議会議員 青木のりお
神奈川県は、がけ崩れにより相当数の住居者等に危害が生ずるおそれがある急傾斜地と、がけ崩れが助長・誘発されないよう切土、盛土など一定の行為を制限する必要がある土地を「急傾斜地崩壊危険区域」として指定しています。
同危険区域は、区別にみると川崎区ゼロ、幸区2区域、中原区4区域、宮前区11区域、多摩区17区域、麻生区23区域、高津区が50区域となっています。高津区は他の区と比べて群を抜いて区域指定が多いのが現状です。
要望書提出に壁
県は急傾斜地対策事業として住民からの要望書を受け擁壁等の工事を行いますが、平成29年度の要望書提出件数は4件、当該年度内に工事を実施した箇所は4箇所で、決算額は約3188万円。平成30年度は要望書提出はゼロ、工事3箇所、決算額約2905万円、令和元年度は提出ゼロ、工事2箇所、約2224万円となっています。
実際に市民が望んでも、「崖の高さ5メートル以上、人の手が加わっていない自然崖、事業により安全性が確保される家屋が5戸以上」などの要件が合致せず、要望書提出まで至らないケースが多いと考えられます。
市は崖の高さ2メートル以上、人口崖も可とする、比較的柔軟な対応ができる「宅地防災工事助成金制度」を設け、斜面地の安全対策の推進につなげるとしていますが、助成件数は平成29年度が2件、令和元年度1件、今年度は現時点で4件のみにとどまっています。
レッドゾーン指定
県は「生命に著しい危険が生じる恐れがある」とされる土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定に向けた基礎調査結果を9月25日に公表しました。既に指定されている警戒区域(イエローゾーン)のうち、高津区は7割を超える72区域がレッド指定される見通しです。区域内にお住まいの方や土地所有者、事業者からは不安の声が多く寄せられています。
市は規制内容等について、レッドゾーンを含む土砂災害警戒区域内の全家屋に対し、土砂災害ハザードマップを配布し、市ウェブサイト等に掲載するなど、周知を図るとしています。
防災対策の一歩を
個々の住民に防災対策をしてもらい、安全対策に一歩踏み出してもらうことが重要だと考えています。
市は必要に応じて急傾斜地崩壊対策事業や宅地防災工事助成制度を説明するなど、適切な助言を行う事で安全対策推進に努めるとしていますが、他都市の助成金制度の内容を見ると、横浜市は川崎市より100万円多い400万円、横須賀市は川崎市の3分の1より多い2分の1の助成がなされており、より充実した制度となっています。川崎市においてもなるべく自己負担を減らし、利用しやすい制度が整うことが大切です。住民が対策に一歩踏み出せるよう、行政としての対策の研究を求めてまいります。
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3月15日