郷土史には記録されない、たかつの記憶をたどる まちのこぼれ話 第15話 その3 境野 勝之さん
◆町の靴屋として50年【2】
ポレポレ通りに構えた店の前には川がありましたが、父はさっそく、その川に暗渠のような橋をかけてお客が来やすいようにしました。奉公人も埼玉の親戚筋から1人雇い、62歳までここで働いてもらいました。10年前のことです。両親が商売をしていたし、親戚も特にいなかったから、盆暮れも無かったですね。正月だって、休むのは2日間くらいでしたよ。
50年前から、靴というものは紳士靴、婦人靴、運動靴とこの3種類は基本的に変わりません。しかし、値段が変わりました。普通のサラリーマンの給与が1万円以下の頃に紳士靴は約3000円、手作りで1万5000円はしました。給与の中から靴を買うということはなかなか大変だったのです。
手作りの靴は作るのに時間と手間がかかっていました。1枚の皮から1足の靴を仕上げるのに、木型を使って、皮を縫う職人、皮を絞って形を整える職人など職人が複数いて、出来上がるまで3日間はかかりました。大変な工程です。
現在も昔のように丁寧な靴作りをしていたら採算は合いませんね。中国製は安いし、昔は革製品だったのが今ではビニール素材の靴も出てきました。ウォーキングブームで靴の持ち方も劇的に変わりましたね。ウォーキングシューズが爆発的に売れて、婦人靴のヒールのあるパンプスが全く売れなくなりました。
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