花やプラカードを手に、性暴力撲滅などを訴える「フラワーデモ」。全国的に広がりを見せるなか、地元からも声をあげようと川崎区在住の菊田由佳さん(49)は昨年末、子育て中の友人ら5人と「フラワーデモ川崎」を立ち上げた。3月11日にはJR川崎駅東口で、市内で初めて開催。32人が参加した。菊田さんは「自分も人も大切にできる川崎に」と思いを込める。
2019年に続いた4件の性暴力事件無罪判決を機に、不当判決と性暴力への抗議の意を込めて東京都内で始まったフラワーデモ。1年間で47都道府県に運営組織が発足し、県内では横浜、県西部で実施されている。
発起人の菊田さんは初期から東京のデモに参加。当事者の声を聞くうち、「性暴力は身近で起こる。自分事としてとらえて動かないと」と実感した。「自分の子どもが成長していく地元でやりたい」と友人に声をかけ、6人で準備を進めてきた。
当日は「あなたとともに#With You」と書かれ、多言語で訳が添えられたプラカードや色とりどりの花が会場を埋めた。参加者の一人は妊娠中、相手男性から「おなかが気持ち悪い」と心無い言葉を浴びせられた。認知も得られない現状に、「私も、子どもも悪くない」と思いを伝えるプラカードを掲げた。運営メンバーの一人で川崎区在住の井口幸子さん(39)は「これまで思いを吐き出せず、身動きが取れずにいた方が、こうして一歩踏み出した。大きなきっかけとなったのでは」と振り返る。
あらゆる差別の撲滅を
「性暴力の根源は女性蔑視。あらゆる差別を地元からなくしたい」と菊田さん。差別禁止条例の制定後も市内で繰り返されるヘイトデモに対し、「人としての尊厳は必ず守られるべき。ヘイトスピーチも、花で凌駕したい」と力を込める。井口さんは「黙っているしかない社会は変えなければならない。苦しんでいる人を見過ごす自分にはなりたくない。ともに寄り添い、一人じゃないと思えるきっかけになれば」と話した。今後は毎月11日に開催。次回は4月11日(日)、川崎駅で午後5時開始を予定。
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