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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2011.09.23

9月8日付で多摩警察署の署長に就任した
三留(みとめ)秀樹さん
54歳

これからの警察はハード面も



 ○…「捜査に明日はない」。この言葉をモットーに100人を超える署員をまとめる。警察官になって37年、署長職は初めて。交通機動隊や所轄署の防犯課長などを歴任し、直前までは県警本部の暴力団対策課長として組織犯罪の捜査にあたっていた。「時には厳しい口調もある」というが、「署長職に就いて久しぶりに地域の人たちとかかわる仕事ができる」と柔和な笑顔をみせる。就任のあいさつで「正義感を持ち、警察官としての責任を果たし原点に立ち返った仕事をしよう」と署員の士気を高めた。



 ○…警察官になろうと思ったきっかけは小中高と続けてきた柔道。「仕事に生かせると自然の流れだった」。36歳まで現役選手として警察大会で活躍し、現在は6段を申請中というほどの腕前。若手署員と稽古で汗を流すのが三留流のコミュニケーション術だ。「風通しのいい署員同士の関係が地域の安全につながる。意見をはっきり言い、良い情報も悪い情報も組織の中で共有しなければ、事件捜査はできない」



 ○…就任して以来、業務や地元への挨拶まわりで忙しい日が続く。趣味は海釣りというが「最近は職務を全うするために封印している」と笑顔を見せる。これからの休日は「多摩川の川原や生田緑地など散策してみたい」という。多摩区の印象は「昔ながらの人が多く、町ぐるみで防犯しようという思いをひしひしと感じる地域。我々も全力を尽くす」と気を引き締める。



 ○…「悪い人を捕まえて弱い人を助ける」という初心は忘れたことはない。「広域犯罪にも備えるのが大事。犯罪に県境も国境もない」と力強く語る。犯罪防止のアイデアもある。例えば、ひったくり犯を逃がさない道路構造や振込み詐欺を防止する電話システムなど。「犯罪抑止の視点が大切。これからの警察はハード面の対策が求められている」。厳しい犯罪捜査に立ち向かってきた経験が、そう実感させている。

 

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