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公開日:2025.12.19
イノシシ対策に限界も
耕作放棄地など棲み処に
耕作放棄地や空き家を棲み処とすることで、中井や二宮、小田原などのエリアで増えているというイノシシなどの獣害対策に取り組んでいる町民がいる。中井町北田在住の橋本昭彦さん(45)は看護師の仕事をしながら仕掛けたくくり罠を毎朝チェックしているというが、「棲み処をなくすことと捕獲することは両輪で取り組む必要がある。個人の力では限界を感じている」と吐露する。
畑を借り、農業を始めた際に作物を全てイノシシに食べられてしまったことから、地元の獣害について目を向けた橋本さん。もともと放置竹林などの地域課題の解決に寄与したい思いがあったが、獣害対策の方が急務だと判断し、狩猟に興味がある人と獣害に困っている農家をつなぐ小田急電鉄(株)の「ハンターバンク」に参加。さらに「おだわらイノシカネット」のくくり罠塾にも参加し、昨年9月からイノシシの駆除を行っている。
橋本さんが用いるくくり罠は、直径30cm、深さ20cmほどの穴を掘って仕掛ける落とし穴のようなもの。「これまで70頭以上捕獲しているけれど、獣害が解決する兆しは全くない」と橋本さんは話す。くくり罠を仕掛けるには地権者の許可が必要で、広範囲に罠を仕掛けて追い込むなどの効率的な猟が難しいことや、行政区ごとに制度が異なるため、市町を越えて害獣が逃げた場合の対応がしづらいという課題があるという。
現在、橋本さんは中井町の北田地区、境地区、岩倉地区の頭文字をとった任意団体「KSI駆除会」として活動している。町からくくり罠などの必要な資機材の支給はあるものの、捕獲した害獣の解体用に借りている物件の家賃やガソリン代などは橋本さんが負担している現状だ。
くくり罠を学んですぐの頃、橋本さんの同級生の農園で収穫間近の田んぼがイノシシの被害を受けたことがあった。「農家さんがそういったきっかけで心を折られ、農業をやめてしまい、農地が耕作放棄地になったら悪循環。獣害とその対策の現状を知ってもらい、行政間の連携を視野に、広い範囲での対策ができれば」と話していた。
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