多摩区版 掲載号:2014年3月28日号 エリアトップへ

昔話研究家として、戦時体験を伝え、平和を訴えている 小澤 俊夫さん 南生田在住 83歳

掲載号:2014年3月28日号

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平和の追及をやめない

 ○…今月6日、多摩市民館で開かれた講演会で「特定秘密保護法は戦争への第一歩になる」と訴え、現政権の姿勢を批判した。「今、世の中を動かしているのは戦争を体験していない世代。戦争中の日本を伝えていかなければならないと思った」。法案の成立後、「(戦前の)あの日本がまたやってくる」という強い危機感からメール配信をはじめた。「どんなに苦しんで今の世の中になったのか若い人たちに知ってほしい」

 ○…旧満州の出身。政治活動家だった父の影響もあり、子どもの頃から「日本を外から見る」という視点が身についていた。戦時中、戦闘体験者から話を聞き、戦争中に日本兵が戦地で何をしてきたのか、日本が諸外国からどう思われているか、自分なりの思いが込み上げてきた。「戦争は人間から人間性を奪う。そこから目を背けてはいけない」

 ○…筑波大学名誉教授で昔話研究家。大学時代に出会ったグリム童話に魅了され、昔話を研究する道に進んだ。日本女子大や白百合女子大でも教鞭を執り、現在は昔話研究家として昔話語りの普及のため全国を回っている。「戦争を語るのも、昔話を語るのも僕の中では一緒」と迷いがない。昔話は「主人公が残酷さから逃げずに向き合う話、本質を見つめる話」と考えている。「戦争にも向き合うことが必要だ。今になって開き直ってしまうのは間違っている」

 ○…楽しみは音楽。実弟は世界的指揮者の小澤征爾さん、二男はミュージシャンの小沢健二さん。特にドイツ音楽が好きで、先月の大雪の日は外を眺めながら、3時間にも及ぶバッハの曲を聴き込んだという。もう一つの楽しみが孫。「字が読めるようになった孫が物語を聞かせてくれること」と目を細める。「僕だって日本が好きだよ。でも自分の国が好きなのは日本だけじゃない。みんなそれぞれに愛し合っている。僕たちは平和を追求するのをやめてはいけない」

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