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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2015.01.09

在宅療養を推進する多職種ネットワーク組織「チーム・たま」の結成を呼び掛けた
中村 健さん
多摩区医師会会長 生田在住 63歳

「地域のよろず相談所に」



 ○…「人生の最期は自宅で迎えたい」という患者の思いに応えようと、医師として在宅医療に取り組んでいる。そうした中で感じたのは、在宅療養や介護の質を高める必要性。区内の医療関係者や介護・福祉事業者、行政職員らの連携を深めようと、一昨年9月、多職種ネットワーク組織「チーム・たま」を立ち上げた。今月28日に市民向けの公開講座を市民館で開催する。「困っていることをチーム・たまの誰かに聞けば、専門の人に繋げて答えがすぐでるようにしたい」



 ○…チームの合言葉は「地域で看取る」。訪問看護連絡会や多摩区役所など、10以上の団体が参加している。「多職種連携の真ん中にいるのは医者ではなく患者や利用者。それを囲むようにケアマネやヘルパー、医者がいる」と信念を語る。現在は課題解決の方法や今後の具体的な取り組みについて話し合っている。「医者は、おむつの換え方を知らない。職業に上下はない。それぞれが自分の仕事に誇りを持って、スキルアップしていくことが大切」



 ○…福岡県出身。町医者だった父を見て育ち、「往診では診察が終わった後の世間話こそ大切」と教えられた。留学先のアメリカで総合的に患者を診る総合医療の現場を目の当たりにして「これだ!と思った」。生田で医院を開業して20年。「なんでも診られる医者」をめざし「でかける医療」を展開する。「自宅で人生の最期を迎えるには、家族の理解と覚悟も必要になる。看取りも医療だと思う」



 ○…テレビドラマが好きで忙しい日々の気分転換になっている。「台詞に感銘を受けるとすぐにメモしちゃう。感激屋だとよく言われる」と笑う。「人が好き」というだけあって、本音を話したいと思うとお酒に誘う。「チーム・たま」の構想も酒の席で思いついた。おせっかいな人がまちには必要だと考えている。「地域のよろず相談所になりたい。困っていたらチーム・たまを思い出してほしい」

 

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