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多摩区・麻生区 人物風土記

公開日:2015.06.12

4月に日向山うるわし会の代表に就き、里山の保全・管理活動に取り組んでいる
大江原 正幸さん
枡形在住 70歳

温かい心育むきっかけに

 ○…「日向山」の名で親しまれている枡形4丁目の里山の保全・管理を行う「日向山うるわし会」の代表に就いた。クヌギやコナラなどの落葉樹が生い茂り、メンバーが月に1度、竹や笹などの下草を刈り取っている。2年前からは「楽しむ要素も取り入れよう」と考え、畑でじゃがいもやさつまいもを栽培している。「日向山は自然の恵みを感じる場所。子どもたちに自然を語るのは難しいが、大切さを伝えたい」

 ○…学生時代に明治大学生田キャンパスに通っていたこともあり、結婚を機に枡形に移り住んだ。同会に入ったのは友人に誘われたのがきっかけ。「自然が好きだったし、作業で汗をかいた後のビールは最高においしいからね」と気軽に始めたはずが、今年で11年に。メンバー65人のまとめ役にもなった。大所帯でも「自然を守ろうという意識さえ同じなら、何とかなる」とおおらかに捉えている。 

 ○…「自然と触れ合って、温かい心を育むきっかけにしてほしい」。日向山は今ではすっかり小中学生の環境学習であり、教職員にとっても学習の場だ。発足当時から続いている「ひなた山ぼっこ祭り」は一大イベント。ネイチャーゲームや竹細工、焼き芋といった催しを開き、300〜400人もの子どもたちが集まる。今後は、日向山の木々や草花について調査し、記録したいと考えている。「まだまだ自然についてわからないことは多い。里山は自然に対してどの程度人の手を加えるかが問題。それが難しい」

 ○…市内でここまで人の手が入った里山が残っているのは珍しい。だからこそ、将来のためにこの里山を残していかなくてはという使命感を感じている。「薪や肥料を得る場として昔から人が住んでいた後が残っている。歴史を感じる」。次世代に引き継ぐ意味で若い人に利用しほしいと考えている。「自然と親しめる身近な森として、多くの人に足を運んでもらいたい」

 

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