川崎市内北部にスケートボードの練習場「スケートパーク」の開設を求め、多摩区内の小学生グループが署名運動を先月始めた。先頭に立つ宿河原小学校5年の岡本陽希君(11)は「近くに練習場所がなくて困っている。1万人分は集めたい」と意気込む。
東京2020五輪の新競技として注目が集まるスケートボートだが、市内では川崎区大師地区に630平米ほどの練習場が1カ所のみ。市が「若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備」で新たにつくるパークも、川崎区・ちどり公園を開設予定地とし、交通の便に課題がある。
署名運動は、1年生からスケートボードに親しむ陽希君をはじめ、宿河原小の10人ほどが中心メンバー。他にも、1人からできる競技としてコロナ禍で始めた仲間も多い。彼らは「場所は多摩川の河川敷くらい。安全にできる設備がない」と、電車やバスで1時間半、新横浜公園のスケボー広場まで通う。「お金がかかる。毎日行けるところに練習場がほしい」と陽希君。同級生の田端弘平君(10)は「周りの人に教えてもらって、いろんな技に挑戦するのが楽しい」と、皆で集まれる場を望む。
ちどり公園の整備については昨年、市民への意見募集で「各区に日常的に使える施設を」「子どもがアクセスしやすく」といった声のほか、向ヶ丘遊園跡地や生田浄水場用地など、市内北部での開設を望む意見も並んだ。登戸でスケートボード専門店を営む片桐宏樹さんは「身近な場で教え合うことでコミュニケーションにつながる。設計も重要だが、全国の例をみても行政施設に現場の声が反映されていないと感じる」と話す。
片桐さんら大人の愛好家が今春、川崎市北部スケートボード協会を設立。小学生の活動を後押しする。署名受付はオンライン署名サイト「Change・org」(http://chng.it/h4Lr6pC77x)。最終的には川崎市長に提出する予定だ。
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