多摩区・麻生区 人物風土記
公開日:2021.08.06
公益社団法人川崎市看護協会の会長に今年度就いた
堀田 彰恵さん
市内在勤 60歳
現場主義で「精一杯」挑む
○…市民の健康づくりや母子・高齢者・障害者を支援する保健師として市内で35年働いてきた。看護協会会長の重責は「今までの知識と経験だけでは足りない。勉強しながら」と受け止める。都道府県以外で協会があるのは全国で川崎だけ。「訪問看護や地域包括ケア。あってよかったと思ってもらうため、きめ細やかに支援したい」
○…静岡県出身。看護学校を卒業し、助産師として働いた後、神奈川県の保健師学校へ。20代半ばで川崎市に入庁した。幸区、宮前区を経て、多摩区では8年間勤務。子育て支援団体のサポートや、高齢化が進む菅6丁目でボランティア団体の立ち上げに携わった。中原区の保健所では、双子の育児で疲弊する母親と出会い、一緒に育児グループを発足。「地域に入り込み、課題を見つけて解決を支援する。主体は住民。目に見えない働きだけどそれが保健師であり、やりがい」
○…定年までの14年間は、管理職として本庁で虐待対策や小児医療に従事。仕事上のポリシーは「まずは行動」「失敗しても願い続けること」。多忙な日々、お笑い番組が息抜きになっている。「天性の妄想力で、そのネタ以上の世界を頭の中で膨らませてしまう」と笑う。課題解決のアイデアも「妄想力」が源だ。
○…家族を亡くし「朝に紅顔ありて夕べに白骨となる」を心に留める。「仕事も人生も常に精一杯か。だらしない人間だが、そこだけは問うようになった」。末期がんや介護など様々な局面での生き方を見てきた。「皆が懸命に生きている。誰かのおまけの人生なんてない」と、出会いは価値観になった。会長を受けたのは、そんな経験ができた川崎への恩返しも込めて。「看護現場に足を運び、肌で感じたい」。培った現場主義で挑む。
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